阪神・淡路大震災は多くの犠牲者と想像を超える被害をもたらしました。
この中で、被災者の経験と行動から私達が学ぶべき教訓は沢山あります。
今回はこの教訓を被災者自身の声から拾ってみました。
証言1
「激しい揺れだったので、とっさに布団にもぐった。
棚から花瓶などが落ちてきたが、布団のおかげでケガをせずにすんだ。」
教訓1
大きな揺れの場合は身の安全確保が第一です。
テーブル、机、ベッドの下などにもぐり
座布団や枕などで頭を保護することが大切です。
証言2
「揺れと同時に居間のタンスや鏡台が倒れたが、
寝室には大きな家具がなったので助かった。」
教訓2
家具の配置を工夫して、家の中に逃げ場としての
安全なスペースを作ることが必要です。
特に寝室には出来るだけ家具を置かないようにしましょう。
あわせて、家具の転倒防止対策をしておくことも大切です。
証言3
「玄関のドアが変形して開かなくなり、部屋の中に閉じ込められた。
幸い日曜大工のバールがあったので、窓の格子を壊して脱出した。」
教訓3
身の安全を確保できている場合は、揺れの合間を見て
ドアや窓を少し開けて脱出口を確保するようにしましょう。
特にマンションや団地の鋼製ドアは注意が必要です。
証言4
「家が倒壊して下敷きになった。身動きできずに半ばあきらめかけたところに
心配して駆けつけてくれた近所の人たちに救出された。」
教訓4
大きな災害のとき、最も頼りになるのは家族や近所の人々です。
普段から地域の人々とのふれあいや交流をもっておきましょう。
証言5
「暗闇の中での揺れだったが、手近に懐中電灯があったので
ケガをすることなく脱出出来た。」
教訓5
夜の災害や停電に備えて、懐中電灯は必需品の1つです。
明かりは不安感を和らげる効果もあるので
必ず常備しておくようにしてください。
電池も忘れずに準備しておきましょう。
証言6
「揺れと同時に、とっさに玄関にあった息子のバスケットシューズをはいて家を脱出した。
結果的には、その靴のおかげで足をケガせずにすんだ。」
教訓6
避難路はガラスや瓦礫など危険に満ちています。
出来るだけ底の厚い、丈夫な靴をはくようにしましょう。
職場のロッカーにも、履き替え用の靴を常備しておくようにしてください。
証言7
「エレベーターが間に合わず、階段を使って避難した。
後でエレベーターに乗った人が閉じ込められたことを知った。」
教訓7
災害時は停電などで、エレベーターに閉じ込められる恐れがあります。
エレベーターは使用せずに、必ず階段を使って避難しましょう。
証言8
「火災が発生したが、近所の人たちが集まり
みんなでバケツリレーをして、何とか延焼を食い止めた。」
教訓8
一人一人がばらばらに対応するよりも、
協力し合って防災活動にあたるほうが効果的です。
日頃から地域活動を重視して
自主防災組織にも進んで参加するようにしましょう。
証言9
「避難する際に玄関に避難先のメモを残しておいた。
そのため、離れて住んでいる息子や見舞いに来てくれた親戚ともすぐに落ち合えた。」
教訓9
避難するときは避難先を書いたメモを残しておきましょう。
ただし、不在を伝えてしまいますので
置き場所は予め家族と相談して決めておきましょう。
また準備として、非常持出し袋の中に
紙とマジックを入れておくといいでしょう。
証言10
「被災直後は食料が手に入らず困った。
幸い冷蔵庫の中にハムやチーズなどが少し残っていたので
それらで何とか飢えをしのいだ。」
教訓10
いざという時に困らないように、
3日分の非常食を準備しておきましょう。
携帯に便利で保存がきき、
調理の手間が入らないものが理想的です。
証言11
震災後、何日も断水の日が続いた。幸い風呂の水が残っていたので
水洗トイレやちょっとした洗濯などに大変重宝した。」
教訓11
普段から風呂や洗濯機の水は抜かず、残しておきましょう。
（※幼児がいる家庭では、転落事後防止のため、水を溜めない方が安全です。）
ポリタンクなどに非常持出し用の水を常備するようにしてください。
証言12
「愛用していた眼鏡は倒れた家具の下敷きになって壊れた。
しかし、ケースに入れておいた予備の眼鏡が無事だったので助かった。」
教訓12
眼鏡や入れ歯、補聴器などの普段から必要としているものは
非常時の持ち出し袋や防災リュックに入れておきましょう。
証言13
「一時期『大きな余震が来る』などのデマ情報が飛び交ったが
ラジオを聴き続けていたので惑わされずにすんだ。」
教訓13
ラジオは正確な情報を得るために欠かせません。
普段から、予備の電池とともに防災リュックに入れておきましょう。
ダイナモ式のラジオもお勧めです。
証言14
「家の電話が不通になったので、公衆電話を何回か使った。
その際にたまたまズボンに入っていた10円玉が大変役に立った。」
教訓14
災害時は公衆電話以外使えなくなる可能性もあります。
携帯電話も混雑や電池の容量で使用出来なくなることもありますので
あらかじめ、防災リュックなどに10円玉などの小銭を用意しておきましょう。
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